源泉徴収票の見方をわかりやすく解説|4つの金額がわかればOK!

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源泉徴収票の見方をわかりやすく解説|4つの金額がわかればOK!
  • 会社から渡される源泉徴収票って何?
  • 源泉徴収票の見方をわかりやすく教えて欲しい
  • 源泉徴収票の内容がわかると何がどうなるの?

この記事では、このような悩みにお答えします。

会社にお勤めの方、会社から毎年1月頃に渡される源泉徴収票に目を通していますか?

もらっても何が書いてあるのか意味がわからず引き出しにしまいっぱなし、なんて方も多いのではないでしょうか。

ツツミ
ツツミ

私もつい数年前までまともに見たことありませんでした(汗)

この記事では、最低限理解しておきたい源泉徴収票に記載されている4つの金額について解説します。

ツツミ
ツツミ

上のイラストの赤枠で囲まれた部分についてご紹介します

収入と所得の違いや納税額、自分が自由に使えるお金がどのくらいあるのかなどを把握できるようになりますのでぜひ最後までご覧ください。

源泉徴収票とは?

源泉徴収票とは、1月1日から12月31日の1年間(1暦年といいます)に会社から支払われた給与、手当などの金額とそれにかかる所得税や社会保険料の金額が記載された書類です。

社会保険料は国が金額を計算してくれますが、所得税は自分で税額を計算して税務署に申告し自分で納めなければなりません。この作業を確定申告といいます。

所得税は個人の儲け(=所得)に公平に課税するために仕組みが複雑で、計算ミスや申告漏れが生じやすいです。

そこで、会社員の所得税は会社が本人に代わって計算し、給与から天引きして預かり納税まで代行するシステムが採用されています。これを源泉徴収といいます。

源泉徴収には国と会社員、双方にメリットがあります。

源泉徴収をするメリット

  • 会社員は確定申告が不要になる
  • 国は所得税を取りはぐれる心配がなくなる
ツツミ
ツツミ

フリーランスや自営業の方は、毎年自分で確定申告をしているので本当にすごいと思います

源泉徴収票からわかる4つの金額とは?

では、本題である源泉徴収票の見方をご紹介します。

ここでは、源泉徴収票に記載されている4つの金額、

  • 支払い金額
  • 給与所得控除後の金額
  • 所得控除の額の合計額
  • 源泉徴収税額

それぞれの金額の意味を理解し、自分で金額を算出できるようになることを目標とします。

支払金額

支払金額とは、1暦年間に会社から受け取った所得税の課税対象となるお金の総額です。

源泉徴収票は会社の視点で作成されますから、会社が労働者に支払うお金という意味で支払金額と表記されます。

算出方法は、給与(賞与)明細に記載されている「総支給額」から通勤費を引いた額の合計となります。

通勤費は給料を得るために必要な経費なので課税対象となる支払金額には含めないと思ってください。

ツツミ
ツツミ

「年収はいくらですか?」と訊かれたら支払金額を答えればOKです

給与所得控除後の金額

給与所得控除後の金額とは、給与所得のことで、支払金額からその額を得るために必要な経費である給与所得控除額を差し引いた残りの額です。

経費は人によって金額や用途が異なり、実際の金額で算出しようとすると、会社の負担が大きくなってしまいます。

そこで、給与所得控除額という「この金額を稼ぐために必要な経費はこのくらいだろう」というみなしの経費を設定し、支払金額から控除することで計算の簡素化を図っています。

給与所得=支払金額ー給与所得控除額

所得控除の額の合計額

所得控除とは人が生きていくためにどうしても払わなくてはならない経費のようなものです。

生き方は人それぞれで、当然必要な金額も異なりますから、個々の事情に応じた要件を設定して、該当する人は給与所得からさらに控除を受けることができる仕組みになっています。

所得控除は全部で15の控除があり、源泉徴収票に記載される主な所得控除は以下の4つです。

  1. 配偶者(特別)控除
  2. 社会保険料控除
  3. 生命保険料控除
  4. 地震保険料控除

実際の源泉徴収票には上記の場所に記載されています。低所得で恥ずかしいですが、私ツツミの源泉徴収票を例に見てみましょう。

社会保険料って控除額じゃなくて保険料そのものが書かれていない?

その通りですが、社会保険料は納めた全額が社会保険料控除の対象なので、社会保険料等の金額=社会保険料控除額として問題ありません。

以上を合計した金額が「所得控除の額の合計額」となると思いきや、ほとんどの人はそうならないはずです。

380,000+844,032+90,000+8,950=1,322,982円…合わないですね

合わない理由は基礎控除が考慮されていないから。

基礎控除とは、すべての人を対象にした年間合計所得に応じて適用される控除です。

年間合計所得が2,400万円以下の人(=ほとんどの人)は48万円の控除が受けられます。

基礎控除をプラスすると、ほとんどの人は記載金額と一致するはずです。

1,322,982+480,000=1,802,982円…ピッタリですね

ほとんどの人が控除されているから、という理由で記載を省略しているのならぜひ記載して欲しいものです。

国は当たり前と思っていても一般人のほとんどは知らないのですから。

ご注意!

一番右に記載されている「住宅借入金等特別控除の額」はいわゆる住宅ローン控除のことです。

住宅ローン控除は所得控除ではなく税額控除に区分されます。所得控除の計算に含めないようにしてください。

源泉徴収税額

源泉徴収額は実際に納めた所得税の金額になります。

源泉徴収額が確定したら1年間の天引き額の合計と比較して、天引き額が多い場合は差額が還付されます。この還付を受ける手続きが年末調整です。

所得税の計算方法については、国税庁ホームページNo.2260 所得税の税率をご参照ください。

源泉徴収額が0円って…ツツミさん税金納めていないの?

ツツミ
ツツミ

そういうことになりますね(汗)

お断りしておきますが、私は脱税しているわけでもなければ、特別に税金の徴収を免除されているわけでもありません。ごく普通のサラリーマンです。

なぜ、所得税を納めていないという現象が起きるのか?その理由は「税額控除とは?節税最終兵器の力を解説(準備中)」でご紹介します。

源泉徴収票がわかりづらい2つの理由

源泉徴収票に記載されている4つの金額についてご紹介しましたが、実際のところこれだけ説明されてもまだもやもやしている人は多いでしょう。

理由は悪意を感じるほど源泉徴収票の書式は不親切だからです。

ツツミ
ツツミ

国民が税の仕組みを正しく理解すると国としては都合が悪いんですかね?

そんな疑問はさておき、ここでは源泉徴収票の内容をわかりにくくしている落とし穴をご紹介します。

1.各金額の算出方法が書かれていない

源泉徴収票がわかりづらい理由の1つ目は、金額の算出方法が書かれていないことです。

源泉徴収票を見ただけでは給与所得控除額と課税される所得の金額はわかりません。源泉徴収票に記載されている金額をもとに計算すれば導き出せますが、計算式などは書かれていません。

書かれていれば、源泉徴収票1枚で解決できるのですが、現状は自分で調べて計算する必要があります。

自分で調べるの?よくわからないし面倒だし知らなくても死にはしないからいいや

源泉徴収票に見向きもしない人の心理はこのような感じでしょう。こうなってくれた方が国としても税金を取りやすく文句も言われず都合がいいのかもしれません。

しかし、資産所得倍増プランなどと謳い、国じゃ全国民の老後を面倒見切れないから自分でどうにかしてというのであれば、必要な知識を身につけるための環境くらいは用意して欲しいものです。

ツツミ
ツツミ

税金の仕組みなどは義務教育化していいくらいと個人的には思います

給与所得控除額の算出方法

国税庁ホームページNo.1410 給与所得控除」をご参照ください。
支払金額を入力するだけで、給与所得控除後の金額が算出できるツールも用意されています。

課税所得金額の算出方法

課税所得金額=給与所得控除後の金額ー所得控除の額の合計額
※1,000円未満の端数を切り捨てた金額に税率をかけて所得税を算出します。
税率については「国税庁ホームページNo.2260 所得税の税率」をご参照ください。

2.基礎控除が書かれていない

源泉徴収票がわかりづらい理由の2つ目は、基礎控除が書かれていないことです。

基礎控除は、納税者本人の合計所得金額に応じてそれぞれ次のとおりとなります。

納税者本人の合計所得金額控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

(注)令和元年分以前の基礎控除の金額は、納税者本人の合計所得金額にかかわらず、一律38万円です。

引用元:「国税庁ホームページNo.1199 基礎控除

合計所得金額が2,400万円以下の人については源泉徴収票に基礎控除額が記載されません。一方、2,400万円超の人は記載されます。

役人
役人

ほとんどの人は2,400万円以下でいちいち書くの面倒だし省略していいでしょ

ツツミ
ツツミ

いや、よくねぇし(怒)

国がこのように思っているかは置いといて、多くの人に適用されるものを記載しないのは不親切と言わざるを得ません。

基礎控除の存在を知らない人は永遠に「所得控除の額の合計額」を導き出せないわけですから。

所得控除は人によって受けられる控除の種類と金額がバラバラですが、合計年間所得が2,400万円以下の人は48万円の基礎控除を一律で受けられることは覚えておきましょう。

源泉徴収票の内容がわかるとできること

源泉徴収票って意味がわかったところで何の役に立つの?

ここでは、こんな疑問にお答えします。

結論から言うと、可処分所得が計算できるようになります。

可処分所得とは、あなたが稼いだお金のうち、あなたが自由に使うことができるお金と思ってください。

可処分所得は、以下の計算式で求めることができます。

可処分所得=収入ー所得税ー住民税ー社会保険料

  • あなたの収入
  • 納めた所得税額
  • 徴収された社会保険料

上記3つは源泉徴収票に書かれていることはご紹介したとおりです。

住民税の額は会社員の場合、毎年5月頃に会社から渡される住民税決定通知書という書類で確認できます。

なぜ、可処分所得を把握しないといけないの?

理由は自分が自由に使えるお金である可処分所得が増えないと経済的に豊かにはなれないからです。

頑張って収入が増えても、経費も増えてしまって自由に使えるお金は全然増えていないでは意味がありません。

計算式からわかる通り、可処分所得を増やす方法は2つです。

  • 収入を増やす
  • 納税額を減らす

出ていくお金を抑えつつ、入ってくるお金を増やす必要があるわけです。

勤め先の給料が上がるかは不透明ですし、上がったとしても十分な金額になるとは限りません。何より会社にはいつまでも勤められるわけではありません。

人生100年時代に突入したといわれる日本ですが、企業の定年は60~65歳の会社が多いです。

定年後の人生もなかなか長いな…

年金収入だけで生きていくことは事実上不可能ですので、副業収入や資産運用など、給与収入以外の収入を元気なうちに用意することを考える必要があるでしょう。

また、収入が増えても無駄に税金を納めていては意味がありません。

給与収入以外の収入がある場合、その収入にかかる税金は自分で納めなくてはいけませんが、正しい納税の知識がないと必要以上に納税してしまう可能性があります。

多く納税しても国や地方自治体はそのことを教えてくれません。そのくせ、過少申告に対してのチェックは厳しいです。

役人
役人

あら、こんなに余計に税金納めてくれるんですか。ありがとうございます

ツツミ
ツツミ

私は絶対にこんな風に思われたくないです

1円でも納税額を減らすために、自分が受けられる控除はどのようなものがあるのかなど、少しずつでもお金の勉強をして損をしないようにしましょう。

まとめ

源泉徴収票の見方についてご紹介しました。

  • 収入と所得の違いはどこにあるのか
  • 自分は所得税をいくら納めているのか
  • 自分で自由に使えるお金はいくらあるのか

これらを把握するために、ぜひ源泉徴収票に書かれている数字を読み取れようにしましょう。

ただ毎日働いて言われるままに税金を取られた残りのお金で不満を抱えながら生活する人生、楽しくないですよね。

稼ぎや資産の増やし方にばかり目が向きがちですが、まずは足元を見据えて現在の自分を知ることから始めましょう。